田中将平さん ー イノベーション・キュレーター塾生インタビュー(第7期生)

イノベーション・キュレーター塾は、”四方よし”ビジネスの伴走者を育てる塾、伴走者だからこその実践も求めらます

2022年7月に第7期として卒塾された方のインタビューを通して塾の魅力と卒塾後に向けた取組をお伝えしていきます。

イノベーション・キュレーター塾は法人の人材育成研修としてもご活用いただいています。これまでも民間の会社や金融機関の方で、会社から派遣されて受講されている方も多くおられます。今回のインタビューの田中さんは、京都生活協同組合に所属されており、入塾時は、生活協同組合連合会コープきんき事業連合に出向中でした。

田中将平さん ー イノベーション・キュレーター塾生インタビュー(第7期生)

Q: なぜ、イノベーション・キュレーター塾に参加しようと思われたのですか?

~自分の大きな成長につながる可能性を感じた~

田中: 弊会では第2期から毎年指名制で参加しており、今回の第7期は私が指名対象となりました。当初は、出向先への異動直後で悪戦苦闘の日々を過ごしていたため、指名を受けるかどうか非常に迷いましたが、塾のパンフレットやweb記事での紹介を読んでいくと、ゲストスピーカーの貴重なお話があること、そして色々な方との出会いや経験など、「仕事」として知りえる以上に、自分のこれまでの常識や価値観を超えた大きな成長につながる可能性を感じましたので、参加を決意しました。

Q: 塾期間中に、取り組まれたマイプロジェクトはどんなことでしたか?

~塾期間中のマイプロジェクトは迷走、悩み続けた期間だった~

田中:自分には成し遂げたい夢があったため、マイプロジェクト(※)では最初から最後まで「仕事の中身」にとらわれ、思考をその枠から出すことが出来ませんでした。途中何度か修正はしましたが、結局「業務課題」の様になってしまい、塾期間中のマイプロジェクトは完全に迷走したまま終わってしまいました。また、並行して課題として出された「チームプロジェクト」については、「サイトの立ち上げ」という形での前進もありましたが、学ぶことや反省点も多く、悩み続けた期間となりました。

※「マイプロジェクト」とは、塾生一人一人が自身のありたい未来を言語化し、それに向けて実践すること。その実践の過程を塾のプログラム期間中に、塾生同士でシェアして、対話を繰り返し実践を進めます。

Q: イノベーション・キュレーター塾を受講する中で、どんな気づきがありましたか?

~「行動や思考」に対する転換のヒントをつかむことが出来た~

田中: 「マイプロジェクト」で迷走し、思考が止まってしまい身動きが取れず、少し嫌気までさしてきた時、塾のプログラム内のゲストスピーカーの話の中で、自分の「こんな風でなければならない」という「行動や思考」に対する転換のヒントをつかむ事が出来ました。いきなりたくさんの人数への働きかけが無理なら、最初の一歩は一人の行動からでも良いのでは。そんな「多人数縛り」から解放されてからは、気になる事や聞いた事の「学習」や「行動」を、まずは実際にやってみるという「体験」が始まりました。私の最後のマイプロジェクトは『体験プロジェクト』へと変化し、それが多くの見識を広げる力となって、今も他の人を少しずつ巻き込みながら続けています。

Q:卒塾後の現在の取り組みと、田中さんご自身がどんな未来を実現したいのか教えてください。

~「食」に携わる者として、人と地球が「食」で豊かになる世の中をつくりたい~

田中:世の中の社会活動って、個人と組織で構成されています。その「活動」から生まれる課題、問題が社会課題となっていますよね。私は組織の側で、課題を解決して行くための活動をしています。社会を変えていくためには、「個人・家庭」と「組織(企業/行政等)」にそれぞれの役割があり、足並みが揃わなければ社会全体を変える事は出来ません。人種、性別、環境、貧困など、様々な社会課題について問題視はされますが、ある意味、商業的に利用されてしまっている事も多くあり、解決までは至りません。多かれ少なかれ、直接的にせよ間接的にせよ、皆一様に全ての社会課題に関わっているという自覚が必要だと思っています。私は「食」に携わる者として、人と地球が「食」で豊かになる世の中をつくりたいと考えています。人が生きていく上で欠かせないのが、地球環境と食料で、両方の課題を解消して行く力と責任が「食」の領域にはあると考えています。

子供たちに豊かな未来を残すため、大きな社会課題を一つでも解決する役割を担う事が私の使命です。

Q:田中さんにとってのイノベーション・キュレーター塾ならではのおすすめポイントは何ですか?

田中: 髙津塾長のお話とゲストスピーカーからの刺激ある話です。プログラムの中で、いかに知らない事が多いか、また知らないということ自体を知らないでいたかということに驚かされます。ファストファッションの裏で起きたバングラデシュでのビル倒壊の事例、マイクロプラスチックの危機迫る状況など。これらを知り、果たして本当に今まで通りの行動ができるか。子供たちに未来の地球を引き継げるのか。参加者と共に、自分達が見えなかった、見てこなかった事例を通して、自分自身を知ることに立ち返る。表面的なことではなく「本質的なこと」に迫るという体験から、実際の行動へと徐々に深化する貴重な場になっていきます。

Q: どんな人にイノベーション・キュレーター塾の受講を勧めたいですか?

田中:自分は何のためにこの世に「生」を受けたのか。明確に答えられるという方は少ないのではないでしょうか。年末ジャンボ1等の確率は2000万分の1です。一人は、地球上では80億分の1という確率です。そして、人が産まれる確率は、医学的統計からは50~80兆分の1という天文学的な確率です。産まれてきただけでも奇跡と言われるのはこのためです。

つまり、全ての人には奇跡を起こす才能があるとも言えますね。人生は一度きり。森羅万象に対する役割が必ず全員にあるはずです。その役割をはっきりと見つけられていないのであれば、塾は何かのきっかけになるかも知れません。

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塾期間中に限らず、普段から自分の所属する組織の中でエネルギーをもって取り組まれている田中さん、それを塾内でもお話しされることで、ますます他の塾生も巻き込んでの活発な議論につながっていました。「『食』を通じて、人と地球を豊かに楽しく」を実現するため、様々な分野の方々を巻き込みながら、ますますご活躍されることと思います。応援しています!

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photo:田中 将平
田中 将平
生活協同組合連合会コープきんき事業連合
イノベーション・キュレーター塾7期生