会員企画-碧くんと行くすさみ満喫ツアー~事業報告~

ビジュアルデザインをつくってくれたのは協会理事の5期青木さん
企画概要
イノベーション・キュレーター協会 の主催により、「すさみツアー」を実施しました。企画は、以前にすさみ町に訪問したというご縁で面白い場所なので是非みんなで行きたいと考えた理事の原さん(3期卒塾)、そして現地でのアテンドは大学を休学して地域おこし協力隊としてすさみ町で活動する 8期生・大久保碧君(以下そら君)。会員やその家族・友人を含めた11人のメンバーでの旅となりました。
実施日:2025年11月23日〜24日
場所:和歌山県すさみ町・見老津ほか
主催:イノベーション・キュレーター協会 (企画担当:理事 原 史明)
参加者:協会メンバーおよび、有志メンバー 計11名
目的:卒塾後、地域おこし協力隊として活躍する8期生の大久保碧さんの活動地域であるすさみ町のリアルを学ぶ
1日目-現地のゲストハウスにお昼過ぎに集合

宿は、古民家を改装したドミトリータイプのゲストハウス「あなかしこ」。駅から徒歩5分以内、海からほど近く、庭や空間も丁寧に整えられた居心地のよい場所です。オーナーさんからは、ゲストハウス経営や、自身が経験したスペインの巡礼路「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」の旅と日本の古道「熊野古道」とのこと、地域と旅、暮らしについて多くの話を聞かせていただきました。そら君とは、彼が高校生のころに改修途中のこの宿に泊まった縁があり、原さんもここに泊まったことがあり今回の宿泊先となりました。
浜で釣り体験 — 食材調達は“伝説の釣り人”と共に
1日目の午後は、夕食を調達する海チームと神聖な山を訪ねるチームに分かれました。「伝説の釣り人」とは、沖縄で農や事業、アパレル、まちづくりなど幅広く活動し、現在はすさみ町で観光や地域づくりに携わるガーデンさん。道中、町のこと、自然、漁業、暮らしのことなどたくさん教えていただき、地域の文脈を知る貴重な時間でした。

釣り初心者の私たちには、餌の付け方から引きのタイミングまで丁寧に教えてくださり、アジがたくさん40匹程度。それ以外にも、漁師さんから大きなお魚を頂き食材の調達はばっちり。
夕食と地域交流 — 地元の人々とともに味わう海の恵み
夕食は「あなかしこ」のキッチンで、釣った魚を捌いてもらって美味しい食事タイム。そうそう、今回参加者のイノベーション・キュレーターの中にはプロのお魚屋さんがいて、きれいにさばいてくれてアジは南蛮漬けに、新鮮ないただいたお魚はお造りになりました。地元のお米、ミカン、そして釣りたての魚、地域の恵みを丸ごと味わいつつ、地域の方もやってきて一緒にお話しできるあたたかい時間となりました。夜には、温泉へ行くグループや、満天の星空を眺めるグループに分かれ、豊かな時間を過ごしました。

2日目 — 刺し網漁体験から
早朝、漁港へ出発
2日目は早朝5時40分、「あなかしこ」を出発し、見老津の漁港へ。なんとこの日は、このシーズンの伊勢海老漁の最終日。到着すると、漁船から引き揚げられた刺し網が軽トラックの荷台に積まれ、その網のコンテナを降ろす作業から、私たちの2日目が始まりました。
網をほどいていく作業
漁師さんに教えてもらいながら、網に掛かっていたサンゴ、海藻、貝、魚類を一つひとつ外す作業を手伝いました。伊勢海老は特に丁寧に扱い、折ったり傷つけたりしないよう、毛布を敷いた箱に収められました。店頭では数万円になる価値 — その重みが、網を扱う手に伝わってきます。

網の手入れ ― 漁の裏にある職人技
魚や海老を外したあとは、網の手入れと補修の時間。91 歳のベテラン漁師さんが、切れ目を丁寧につなぎ、網目をきれいなひし形に戻す様子には、長年の経験と技術、海との信頼がありました。刺し網漁は「漁をするだけ」で終わらず、「道具を育て、守る」営みでもあるのだと実感しました。

その場でバーベキュー ― “未利用魚”を共に味わう時間

網にかかった魚たちの中には、流通に乗りにくく“未利用魚”とされるものが多く含まれています。普段なら捨てられてしまう魚たちを、一人一匹選んで丸焼きしました。捨ててしまうお魚たちも、焼きたての魚の美味しさは私たちにとっては贅沢な食事です。

しかしやっぱり「もったいない!」っていうことが話題になります。食材として、地域資源としてどう活かせるんじゃない?でも、鮮度の維持、処理、流通。流通の壁、価値の見直し。やっぱり捨ててしまうのがいいのかもしれません。こうやって、ここで食べることも一つの選択肢となっています。
そして、午後2時の解散の時間まで、温泉に行ったり、ランチをしたり、さらに地域のことについてお話を聞いたり・・・滞在時間約25時間の学びを多い周参見での濃く豊かな時間を過ごし帰路につきました。
まとめ
〇釣り、漁、宿、食、地域の人々との交流を通して、現地のものに「触れる」「感じる」ことで、普段見えにくい課題と向き合うことになった
〇漁師さんや地域の人から話を聞いて一緒に過ごすことで、周参見のことが好きになって、また訪問したくなった
〇未利用魚の問題や地域資源をどのように活用していくかという話題が印象的だった
といった、感想がありました。何より碧君がすっかり溶け込んで、地域で愛されている存在でとっても頼もしかったです。入塾時は、最年少の17歳、そして今も大学2年生の19歳。キュレーター塾生は年齢も様々ですが、全員フラットな関係性で、卒塾後も期を超えてお互い刺激を与えあえる存在。それぞれの活動やプロジェクトを応援しあっていますよ~。
ご協力いただいたすさみ町の皆さま、漁師の方々、宿のオーナーさん、観光協会のみなさま、そして参加してくれたメンバーに、心から感謝します。

(報告:協会理事 1期生 阪本純子)

