京都市役所 野沢陽子さんーイノベーション・キュレーター塾生インタビュー

卒塾第9期生へのインタビューにより、塾の魅力と、塾生のみなさんに起こった変化についてご紹介しています。

1人目のインタビューは、京都市役所の野沢陽子さんにお話をお聞きしました。

野沢さんは、「面白い」と感じたことには積極的にチャレンジし、仕事・プライベート問わず多様なイベントを同時進行で企画・運営されています。哲学ある「言葉」を磨くことを大切にし、すべてを一人で抱え込まず、周囲を巻き込みながら実践している野沢さんの創りたい未来とは?ぜひお読みください!

Qなぜイノベーション・キュレーター塾に参加しようと思ったのですか?

野沢:キュレーター塾の存在は自体は、同期が立ち上げに関わっていたり、過去の受講生から勧められていたので、気にはなっていました。また、コロナ中に受けた研修で「社会関係資本(ソーシャルキャピタル)」について考える機会があったり、何となく「ソーシャル」や「社会課題」という言葉に引かれていたのかもしれません。昨年、人事異動によってワーカーホリック気味の日々から余裕ができ、「これからのキャリア」を考えるいい機会だと思い、受講しました。

Q:受講中に取り組んだマイプロジェクトの内容と、そのプロジェクトに込められた思いについて教えてください。

野沢:受講中には「what」を求めた結果いろいろ量産してしまいました…。しかも全部課題意識というか思いが違います。
○職場内ミートアップの開催
○仕事以外でのイベント企画・運営、MCに挑戦
○企業共催イベントをやる
○おもんなかったメルマガを面白くしてみたり、canva、インスタ、noteを通じて発信してみる
○いろいろな人と出会う、学ぶ場に出ていく! etc…
いろいろやってみましたが、ほぼ最終講義くらいまで、自分が納得していないのもあってすごく薄っぺらかったのをこれを書きながら思い出しました笑。
私の中では量産したマイプロより、本当のマイプロにたどり着くまでの過程の中で得られた気づきが重要でした。

Q:塾を受講する中で得た気づきは何でしたか?

野沢:Q1の「社会関係資本」の話にも通じるかもしれないんですが、自分の評価や資本は仕事の身分にくっつくもので、自分本体に価値がないと思っていました。公務員じゃない自分の価値ってなんなのか、わからなくなったこともありました。
そんな中、塾で自分の内省と本質を徹底的に振り返り、高津塾長に愛ある刀で切られまくり、塾生にも切られまくりした結果、少しずつですが自分にも自信が持てるようになれたなと。ある意味、開き直れたと言えるかもしれません。
だって、今の立場をひっくるめての「私」なので!塾長からは受講当初「あなたは視座が低い!!」と愛のあるムチをいただきましたが、と卒塾時にはその受け止め方が変わりました。確かにうじうじしていたころの自分は視座が低かったし、「●●なんて」と、言い訳っぽいこともよく言葉にしてしまっていたと思います。
マイプロにもつながりますが、企画を考えるとき、事業者支援をするとき、行動するときの軸ができたと思っています。

Q:その気づきが、当初想定していたマイプロジェクトにどのような変化をもたらしましたか?

当初は無理やり「What」を作っていたマイプロだったなぁと思います。
何のために、を求めすぎて本末転倒になっていたというか、結局自分が何したいのかを置いてきたまま、走ってしまっていたなと感じています。これをやります!といえる方がいいんでしょうが、やりたいことや、モヤモヤ、ワクワクは日々生まれてくるので、私自身が1つに絞ってしまうと全部が薄っぺらく感じてしまい、これでいいのか悩んでいました。

塾長や塾生間の壁打ちを経て、明確な目的があるのではなく、自分自身が共感できることに対して、常にガチで動き続けていて、仕事のこと、京都のこと、地元のことなどなど、いろいろなことにもやもやしているけど、同時に課題から可能性や価値を感じてワクワクしている自分に気づきました。これに気づいてからは、マイプロが「何かをするための計画」ではなく、「自分が行動し続けるための指針」に変わったので、気持ちの持ち方が180度変わりました。人間やろうと思えば何でもできるんですよね。
気持ちのパワーは無限大です!

卒塾式でも同期生から「事務が堅くて何でもできる」「行動力の塊」と身に余る称賛をいただいてしまいましたが、自分に自信がなかったので、周りが輝いて見える、羨望のまなざしを向けて、同期のきっかけづくりにといろいろ場づくりやらしてみたのですが、そんなところも自分の強みだったんだなと改めて気づけました。

Q:現在取り組んでいることについて教えてください。

野沢:「それ面白いな~」と共感できたことは何でもやってます(笑)。
最終マイプロでも「苦悩はまだまだ続く」とか「to be continu」とか書いてしまいましたが、3月4月は仕事で1本、オフで3本イベントを同時進行で進めていて、久しぶりに頭をフル回転させながら工程表と収支表とマニュアルをカチカチ組んでいました。

その一つが活動写真として出した「CR8RZ NIGHT KYOTO」です。前職場は仕事でかかわっていましたが、仕事が変わってもクリエイターさんたちとかかわる機会が欲しくて、今はボランティアで運営とMCを手伝っています。
それ以外にも同期と組んでイベント作ってみたり、5月は塾生昼呑み企画やDJ挑戦してみたり、令和の米騒動を受けて、農家のありがたみを感じようと実家の田植えを手伝ってみたりとなんだかんだ仕事以外でも忙しく楽しくしています。(仕事もちゃんとやっています笑)

何でもやるにも軸を決めていて、
・自分や関係者のステークホルダーを厚くできる。(いろいろな人との繋がりと目利き)
・自分自身の知識を深められる。(HOWの選択肢を増やしていく)
・自分の「言葉」を磨ける。(言葉には哲学が宿り、そこに人は惹きつけられる)のどれかに引っかかるものをやっています。
全部抱えないように、なるべく周り巻き込んでやるようにしています。

地域企業応援プロジェクト

Q:それを通じて、どんな未来を実現したいと考えていますか?

「誰しもが持ついろいろな可能性の種をあきらめない未来」です。
世の中、やってみたいことや気になることがあっても、「自分は実現できないこと」って思うことが多いじゃないですか。
そういうことの多くは、誰かが後押ししてくれたら、誰かが一緒にやってくれたら、小さくても実現することが多いと思うんです。
「この地域の過疎を食い止める」とか「地球温暖化を止める」みたいな大きいことは言えなくても、タネみたいなものが少しずつ花開いていって、いろいろな人とのつながりで横に広がっていけば、社会はいい方向になるんじゃないかな、と思っていますし、私はその背中を押したり、肩を組める人になりたくて、今もマイプロを継続しています。

Q:イノベーション・キュレーター塾をどんな人に勧めたいですか?

野沢:イノベーション・キュレーター塾は答えをくれる場所ではなく、自分や仲間との対話を経て気付きを得る場所だと思います。
自分の現在地や価値観を見つめなおしたい人は是非参加してほしいです。特に自分の会社の立場で悩んでもじもじしてる人!!私も「仕事が…」「時間が…」「お金が…」と言い訳をして、受けてこなかった身でした、正直に言います。
もっと早く受けたらよかった!(でも9期でよかったとも思ってます笑)今まで受けたどの研修よりも、良質な問いと、普段の立場を超えたフラットな関係と、有意義な時間が得られると思います。

Q:ゲストスピーカーや実践ワークで印象に残ったこと、特にハードルに感じたことがあれば教えてください。

一番最初にマイプロを提出するときでしょうか…。
最初の講義で大室さんに常識?価値観?を破壊されたうえで、各講師の皆さんからのご自身の実践や社会の現状を浴びた後に、「あなたの作りたい未来は?そのためにどんなマイプロする?」を考えるって、「自分もそのくらいすごいことしなきゃいけないの?」とか、「自分事に社会課題を考えなきゃ」ってめちゃくちゃ悩みました。でも、振り返ってみると、あれって絶対悩むように作られているよな~と。よくできたプログラムだなと思います(めちゃくちゃ褒めてる)実際提出したマイプロ見返しましたが、自分の思いとやりたいことがこんがらがって大変なことになっていたので、黒歴史として封印しようと思います。あと、幼いころからの自分の内省ですね。いろんなことを思い出して地味にメンタルに来ました(笑)。 


野沢陽子さん
京都市
イノベーション・キュレーター塾 第9期生

野沢さん