イノベーション・キュレーターが学生の聞き役として

京都市ソーシャル・イノベーション研究所(SILK)が、一般社団法人 京都知恵産業創造の森さんと開催している、学生対象のソーシャル・イノベーション入門ゼミ(通称KOINゼミ)。さまざまな分野でソーシャル・イノベーションを実践する大人たちの話を聞き、働くこと・生きることについて自分なりの問いを考えてみる場です。このプログラムの第4回に、イノベーション・キュレーター塾の卒塾生15名が参加しました。

参加者と卒塾生が1対1で話す場。23分×2回。学生さんがこれまでの人生を振り返って思うことや今感じているもやもやを話し、偶然ペアになった2人の大人に聞いてもらう時間でした。

全文は以下はSILKホームページをご覧ください

話を聞くだけ。そんな簡単な魔法で、こんなにも笑顔が増える。|KOINゼミレポート | 私たちが紡ぐ、これからの1000年。

先日開催した第4回は、イノベーション・キュレーター塾の卒塾生の方々にご協力いただき、参加者と卒塾生が1対1で話す場を設けました。23分×2回。学生さんがこれまで

(以下、SILKレポートより抜粋)

「悩んでいたこともポジティブに考えられるようになった」

卒塾生の皆さんには、事前のミーティングで学生さんのお話を聞く際に大切にしてほしいことを伝えていました。コーディネーターとして協力いただいている仲田 匡志さんが教えてくれたのは、相手に寄り添う姿勢です。

「話す」より「聴く/訊く」
「教える」より「共に学ぶ」
「変える」より「待つ/理解する」
「やらせる」より「一緒にやってみる」
「考えさせる」より「気になる問いを」

これらの言葉を胸に、学生さんとの出会いを迎えた当日。20組のペアがひしめく会場を歩き回って写真を撮っていると、だんだん胸がじーんとしてきました。学生さんも、大人も、皆さんすごくいい表情をされていて。目が輝いているって、こういうことやなぁと思いながらシャッターを切りました。

大人を相手にじっくり話をする機会を持つことで、学生さんがもやもやを言葉にできたり、自分のしたいことに改めて向き合えたり。そんな場を作りたいという思いから、大勢の方にご協力をお願いしました。SILKコーディネーターの木村が「出会って名刺交換をして終わるのではなく、どんなことを考えて働いたり生活したりしているのか、お互いに理解し合うことを大事にしたい」と皆さんに伝え、対話の時間がスタート。

運営に協力いただいている仲田 匡志さんが、会場を眺めながら「話を聞くっていう、ただそれだけのことなんですけどね。魔法みたいですね」と。心に残る言葉でした。

仲田さんはこの日、参加いただいた方々にこんなことも伝えてくれました。「言霊(ことだま)って言うじゃないですか、言葉にすると叶うって。こういうことやりたいですって誰かに伝えると、その人が覚えていてくれて、応援してくれるんですよね。人とつなげてくれるとか、本を紹介してくれるとか。言霊ってそういうことかなと思っています。」

たくさんの1対1での対話の中で耳を澄ますと、色んな言葉が聞こえてきます。

「勇気もらえますわ」

「ぜったい大丈夫!」

「がんばりすぎひん程度にね」

「めっちゃ応援したいと思った」

会場全体にこのような言葉が溢れていて、なんだかすごくあたたかい空気を感じました。悩みや葛藤について真剣な眼差しで話をするペアも、だんだん表情が明るくなっていきます。「人に話すことで客観的に自分を知ることができて、悩んでいたこともポジティブに考えられるようになった」という学生さんの声も。2人の大人との対話から、きっと彼らの今後にとって大なり小なり良い動きが生まれるのではないかと思えました。

文・写真:柴田 明(SILK)


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