卒塾生インタビュー 3期生 齊藤 徹さん

多様な人が集まる塾であり続けて欲しい

イノベーション・キュレーター塾(以下、IC塾)の魅力はどこにあるのだろうか?
価値はどこにあるのだろうか?
果たして、言語化は可能なのだろうか?

そんな問いを明らかにする為、ご本人も卒塾生であるとともに、
社員を継続的に塾に送っていただいている株式会社アグティ代表取締役社長 齊藤徹さんへのインタビューを実施しました。

インタビューの場所は、アグティ社が新たなチャレンジとして取り組んでいる
地域社会と企業と人がつながる地域循環ワークシェアリングACWABASE。
齊藤社長の人柄あふれるアットホームな雰囲気でインタビューは行われました。

面白そうだから、ノリで入塾(笑)

―齊藤さんとIC塾の出会いは?

IC塾の運営に関わっている方と知り合いになったのがきっかけです。
ノリで話を聞きに行ったら、なんかよく分からないけど、面白そうな人がいたから、巻き込まれてみようと(笑)。
塾自体は、真面目に出席して、真面目に学んでいました。
学んだことを、実際にアクションに移してみたのは卒塾後ですね。

一人では会社を変えられない

―社員をIC塾に入塾させようと思ったきっかけは?

一人でアクションを起こしても、何も進まないですよ。
会社の中に共感者がいないと『社長、なんか勝手にやっていますよね』で終わってしまう。
それじゃあ、会社の中に仲間や共感者を増やしてみよう!と思ったのがきっかけです。
次世代のリーダー層に入塾してもらおうと思い、アクションしました(笑)。

視野が「会社」から「社会」へ

―IC塾を卒塾した社員に変化は感じますか?

視野が会社から社会に広がっているなと感じます。
会社で話す内容が、事業だけにとらわれず広くなっているなと。
社会課題を扱った映画の上映会にチャレンジしたり、組織活性化にむけた新しい取り組みにトライしたり、個々人のアクションが幾つか起きていますね。
個人の価値観と学ぶ内容の組み合わせでオリジナリティのあるチャレンジがどんどん増えていて、先々が楽しみです。

「学ぶ」文化が生まれてきた

―組織としての変化は感じますか?

アグティでは、IC塾だけではなく、様々な研修に参加できる機会をつくっています。
組織の変化は複数な要因の結果なので、一概には言えないのですが、学ぶ文化が生まれてきたな、というのは感じますね。

アグティには、『会社は働く人のために存在する。』という理念・哲学があります。
僕が研修の機会をたくさん作るのも、学びや体験を通じて、社員の豊かさや幸せにつながってくれたらいいな、というのが第一義にあります。

会社にリターンが、直接帰ってくるようなことは期待してないです。
回りまわって会社に帰ってくることもあるかとは思うけど、あくまで主役は会社じゃなく、主役は人だと考えています。

1ケ月休める『フーテンのとらさん制度』というのもあるのですが、休みを利用して、人に会いに行くのも学び、体験になると思ってやっています。

共感者ができるまでは我慢

―会社として新しい取り組みは?

さっきも話題に出ましたが、僕がやりたいと思っている事も一人ではできないので、ずっと我慢してきました。『こんなんやりたいよね』と言っても、社員の反応が薄かったときもありました。でも、IC塾がひとつのきっかけになって、一人一人と共感者が増えてきて、実行する段階になってきた。
新しいことにチャレンジするマインド、気運が育ってきたなと感じています。

人が主役である以上、到達点はぼんやりでいい

―どんな未来を描いて経営していますか?

人が主役と考えているので、明確な到達点を決めることができない。
人の変化・成長の角度・スピードは人それぞれだから、バックキャストで考えるのは無理だと思いますね。
バックキャストすればするほど、最短距離ばかりを狙って、それ以外の大切な要素をそぎ落としてしまう。
だから、ぼんやりの方がいいと思っています。3年後、5年後どうしたいかな?って自問すると、強いていえば、『今よりも幸せになれたらいいな』と思っています。

働いている人が自分の幸せのために会社を使っている、働いている人にとって会社は価値ある道具になっていたらいいな、と思っています。ただそれはラクではない。楽しいばっかりがいいわけでもなく、厳しさや苦しさがあるから嬉しさの価値がある、全部が豊かさの材料だよねって、思えたらいいよね。

多様な人が集まる塾であり続けて欲しい

―これからのIC塾への期待を

イノベーション・キュレーター塾は、本当に素晴らしいと思っています。
これからも、受講生の多様性を維持し続けて、いろんな人が集まるおもろい場であり続けて欲しいなと思います。
毎年一人は送り出せるようにしたいと考えています。

あと、卒塾生のコミュニティも、もっと活性化させていきたいですよね。
地域にある課題を、卒塾生仲間で解決するような事もできたら面白いなと思っています。

今回訪問させていただいたACWABASEは「アグティ・コワーキング・アライアンス(ACWA)の拠点(BASE)」の略で、「はたらく」と「つながる」が共存する場を創りたい、というアグティ社の想いを実現させた場所です。

「いつ来てもいいし、いつ帰ってもいい。」という、従来の常識では考えられないイノベーティブな場所でもあり、働いている人がやさしくつながっている場所でもありました。

面白いことにどんどんチャレンジされている株式会社アグティさん。
そんな会社が毎年、社員さんを送り込んでくださっているイノベーション・キュレーター塾。

齊藤さんご自身は卒塾して5年が経った今、その間、会社もどんどん変化し続けています。
その変化の土壌の一部にもなっている塾であることをうれしく感じました。

株式会社アグティのHP https://www.agt-kk.co.jp/top.html
ACWABASE のHP  https://note.com/acwa_agt/

(取材・文:事務局担当 武原・松井・阪本)