藤吉奈央子さんーイノベーション・キュレーター塾生インタビュー(第6期生)

ただいま、7期生を募集しているイノベーション・キュレーター塾(募集締切:2021年9月30日)。

今年7月に6期生として卒塾された方に、インタビューを通して塾の魅力と卒塾後に向けた取組を聞いてみました。

今回は、企業で働く人をサポートするフリーランスの保健師として活躍する藤吉奈央子さんです。入塾されてから、ご自身の中で起こった変化、そして卒塾後の今に至るまでの実践、これからのこと、思い描いているつくりたい未来について語っていただきました。

藤吉奈央子さんーイノベーション・キュレーター塾生インタビュー(第6期生)

Q: なぜ、イノベーション・キュレーター塾に参加しようと思われたのですか?

藤吉: ここで一体何を学べるのか分からなかったし(笑)、参加しない理由(言い訳?)はたくさんありました。説明会で「物事を俯瞰的に見る」という事を強調され、これは私が直視しなければいけない課題のひとつではないかと”ギクリ”としたこと、そして「モヤモヤしている人は来て!」という言葉が決め手となり、多くの言い訳を振り払い、参加を決めました。私は産業保健を展開する保健師として活動していますが、異業種の人との深い関わりがあまり多くなく、自分のバランスが悪くなりそうだと危惧していた時期でもありましたね。

Q: 塾期間中に、取り組まれたマイプロジェクトの内容と、そこに込められた思いは?

藤吉: 私は、働く人と企業の健康度・幸福度を向上させたいという思いで、企業の保健師をしています。健康サービスの格差が気になり、6年前に大手企業の専属保健師からフリーランスになりました。現在は中小企業を中心に、活動を展開しています。このような背景から、「健康サービス格差」が言葉を変えてマイプロにつながっていきました。しかし途中から、自分の働き方が非常に属人的なことに気づいて愕然としたり、サポートする側の看護職も労働者であるという当たり前のことに気がついたりして、右往左往しました。最終的には、長期的に”働く人への健康サービスの提供を社会的インフラにする”というスローガンを掲げながら、”自分なりのやり方でこれからの道を開拓していこう”というマイプロに確信を持てました。

Q: イノベーション・キュレーター塾を受講する中で、どんな気づきがありましたか。また、その気づきにより、当初想定していたマイプロジェクトは現在どのように変化しましたか?

藤吉: 塾の中で、自分のマイプロに思わぬ方向から質問が飛んできたこと(例えば、「健康ってなんですか?」とか)は、日頃、同業の専門職と話をすることが多かった私にはとても新鮮で、改めてこれまでの自分の考えを振り返るきっかけになりました。自分は組織に属していないので比較的柔軟な方だと思っていましたが、それでも自分のフレームや思い込みがあったことにも気がつけました。その気づきも含めて色々考え、結局は一巡して、最終的に”このままの自分のスタイルで貫こう”と思えました。大きな変化ではありませんが、自分のマイプロに対して柔軟性が増し、視野が広くなった感じがしています。

Q: 現在の取組についてご紹介お願いします。

藤吉: これまでやってきたことに対する確信が深まったこともあり、中小企業の健康サービス格差の解消に向けて、目の前の活動に真摯に取り組み続けたいと活動中です。それだけではなく、この分野をどのように拡大していこうか・・・と視野が拡大したことが、塾での収穫ですね。看護職の人が孤立感を深めないための研修を企画したり、自分自身の仲間作りを見直すようになり、現在フリーの保健師たちで月1回オンラインで話し合いの場を設けたり・・・。これは今後、さらに展開・商品化するかもしれません。

また、まだ発展途上ですが、産業保健の分野で自分が充実して働くことで、フリーの保健師の広告塔になろうと思い、情報の発信について考えている最中です。これまでも人前で話す機会は多くありましたが、これまで以上に覚悟が決まったという感じがしています。見た目は変わりませんが、”誰にも文句は言わせない!”という心意気が変わったと思っています。(注:どなたかに文句を言われたわけではありません。)

Q: これからどんな未来を実現したいと思っていますか?

藤吉: 大それたことは考えておりませんが、まずは多様な働き方・生き方が受け入れられる社会づくりのために、保健師として個人や組織に働きかけができればいいなと思っています。また、忘れがちですが、私たち自身の働き方の多様性にも自然に目を向けてもらえる未来を実現したいです。そのための切り口をいくつか持っているつもりですが、塾で学んだことや塾で知り合った仲間と一緒であれば、他にも切り口があるような気がして、こんなワクワク感ももれなくついてきています。

Q: 「イノベーション・キュレーター塾」って説明するのが難しいような気がしています(笑)。改めて、藤吉さんの考える塾の魅力って何ですか?

藤吉: 分かります!
私も未だに説明するのは難題だと感じていますが、魅力的なのは確かです。特に、自分のこれまでの生き方や考え方を振り返る良い時間と仲間でしょうか。ひとりでは乗り越えられないことも、刺激的な仲間・ゲストスピーカー、塾長やサポーターの皆さんのおかげで、様々な角度から見つめなおすことが出来る、という魅力があります。さらに、これが卒塾後も続くという・・・これも未知数な魅力でしょうか。

Q: 第6期は、(コロナ渦の影響で)仕方なくオンライン開催となってしまった回がありましたが、基本、対面・リアル講座での実施としています。リアルだったからこそ得られたことがあれば教えてください。

藤吉: DAY9までで私がリアルで参加したのはDAY1/2/3、そしてあとは卒塾式です。職業柄、コロナ禍で出歩くことも控えており、課外授業にも参加できないままでした。そんな私なので、リアルだったからこそ得られたものとはなんとも言い難く・・・強いて言えば、最初の3回にリアル参加できて、塾生同士のつながりが多少なりともできたので良かったです。
主催者の皆さんの思いに反するかも知れませんが、オンラインしか知らない私からすると、呼びかければ誰とでもつながれる状況でしたし、毎回、話し合いの場(時間)も提供してもらえました。欲を言えばきりがないと思いますが、今回はこのような状況の中でも塾を開催して頂けてありがたかったです。

Q: どんな人にイノベーション・キュレーター塾の受講を勧めたいですか?

藤吉: 自分の生き方にモヤモヤしている方、好奇心旺盛でさらに自分以外の好奇心旺盛な方に出会いたい方、そんな出会いを楽しめそうな方、です。

ありがとうございました。藤吉さんの益々のご活躍を期待しています。

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藤吉さんは、塾期間中にご自身の事業のホームページを公開されました。
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photo:藤吉 奈央子
藤吉 奈央子
株式会社トラストチャーム代表
保健師/博士(医学)